事業案内
高精度・短納期へのチャレンジ
金型設計では、最初にお客様との「起工打合せ」で、品質や生産性の向上とコストダウンを高い次元で両立させるための具体策を企画・提案し、生産時最高のイメージとなるよう仕様を固めます。
お客様の要求は高精度・短納期・コストダウンなど、設計対応の難易度はますます高くなっており、常に新しい課題と向かい合い、新しいアイデアで業界に挑戦しております。
市村製作所では、金型の設計、製作、プレス加工までを社内一貫体制で取り組んでいるため、各プロセスでの課題が即座に設計にフィードバックされ、金型改善をスムーズに行うことが出来ます。全社員がミクロの世界でものづくりに挑戦し、狙い通りの精度を実現する過程を共有できるのは、当社ならではの醍醐味と胸を張れます。
金型製作を高度に標準化、迅速な納期を実現
金型製作は大きく分けて切削加工・研削加工・放電加工・組立て工程の4つの作業が行われます。成型する部品の精度はミクロン単位と細かく、徹底した標準化と精度管理のもとに行っています。
標準化は、システムと素材の2つの観点から行います。設計から渡されるCADデータを基に最新の工作機械により加工。ホルダー部のスチール材や、曲げに用いる超硬金属は加工に大変な時間がかかるので、私たちは過去の実績を基にあらゆる標準サイズを割り出し、事前に加工しストックしています。よって製作工程を短縮し、迅速な納期対応を実現しています。
金型のベース部分、入れ子となる部分について、材料のプレートに穴あけ溝加工を行います。複数のドリルを装備したマシニングセンターで自動加工します。
拡大された金型の部品図を投影して、その線をなぞりながら研削加工していきます。「倣い加工」とも呼ばれます。NC加工と手動加工を両立させ高精度の部品加工を実現しています。
ジグの調節により、金型プレートの上下の平面研磨などを加工します。XYZ軸上で、面や溝を自動的に加工します。
精密金型では億単位の大量生産に対応するため、耐摩耗性に優れた超硬合金材を組み合わせて加工していきます。しかし、硬度がダイヤモンドに近い超硬合金は通常の切削・研削では複雑な形状の加工が困難です。このため雷の原理と同じ高電圧放電により微細加工を実現しています。
ワイヤー放電加工機は、主に真鍮から出来たワイヤーを用いて、電気エネルギーを活用して、金型プレート、金型部品の加工を行います。放電加工機は原理的には、どんなに硬い材質でも導電性さえあれば、何でも加工が出来る機械です。
形彫り放電加工機は、主に銅で出来た電極を用いて、電気エネルギーを活用して金型部品の加工を行います。ワイヤー放電加工機とは違い、部品を立体的に加工する事が出来る機械です。
金型を形成する部品が仕上がると、基準プレート・ストリッパー、ダイ側、パンチ側の3つの部分に入れ子などを配置して、組み立てます。
この工程で最終的に金型の精度が決まる為、仕上げ技術者の熟練が必要になります。
億単位のアイテム生産を可能にしたトータルな生産ノウハウ
自動化で24時間フル稼働
出来上がった金型は、精密プレス加工ラインに送られ、製品が作られます。プレスラインは、技術部との協力により自動化され、最小限の人数で24時間フル稼働できる生産体制を確立しています。
現在は70台のプレスマシーンが稼働し、月産30億ピン以上の生産が可能です。
立体形状をプレスする順送金型
市村製作所の得意とする順送金型では、材料となるリン青銅などの金属板(厚さ0.03mm~1.0mm)を、打ち抜き、曲げ、絞りなど連続する金型技術で立体形状を作ります。
業界トップ水準の高速、かつミクロン単位の高精度でプレス加工できるのは、当社の高い技術力の賜物です。
プレスラインの自動化は、高度なメンテナンス技術により実現しています。マシンから金型を外さずに微調整できるシステムを構築し、プレスラインの稼働率、不良率の改善に日夜挑戦し続けています。超高速生産から生じる金型精度の劣化にも設計段階からメンテナンスしやすい工程を常に意識しています。
ハイレベルな品質保証体制を確立
市村製作所のモットーは、高い品質でユーザーを満足させる製品作りです。私たちはそのためにISO(国際標準化機構)が定めた、品質管理システムの国際規格をベースにハイレベルな品質保証体制を確立し、継続的な改善に取り組んでいます。品質の数値化では、高精度の測定機を備えるなど、各得意先からの要求品質を100%満足させるための様々な管理を社員ひとり一人が遂行しています。
上記にもありますとおり、検査精度をより高めるため、コンピュータ制御による自動測定により「もはや人間の視覚では不可能な検出、精度スピード」を実現し、市村製作所の微細加工製品の品質維持に務めています。